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| 管内地下鉄出入口付近 | ||
| 坂口を乗せた車が地下鉄の入り口付近で急停車をした。坂口は車から飛び降りると、急いで地下鉄の階段を下っていった。坂口を尾行していたマミーとDJも急いで車を止め、DJが逃走する坂口を追う。 坂口の社員がDJを食い止めようとするが、DJは男にケリ一発、男はその場に倒れ込んだ。マミーもすぐにそこへ駆け寄り男をとり押さえるのだった。 |
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| マミー | 「坂口は何処へ行ったの?。答えなさいよ!。」 | |
| 坂口画廊の社員 | 「しっ、知りません。本当です。」 | |
| 地下鉄駅・構内 | ||
| DJは駅構内を駆け回り、くまなく坂口を探してまわったが、坂口の姿は何処にも見あたらなかった。 | ||
| DJ | 「ちっきしょー!。」 | |
| 移動中の喜多刑事・ブルース覆面車 | ||
| 坂口が刑事たちをまいて逃走したことは、喜多刑事たちにも伝えられた。 | ||
| 喜多刑事 | 「了解。」 | |
| ブルース | 「はぁー、ちょうことは、こっちはオトリなのかなー。」 | |
| 細い道を走っていった小田の車が大通りに合流、追跡している刑事たちも大通りに合流しようとしたその時、一台の車が道をふさぐため飛び出してきた。 慌てて車を停車した刑事たち。ブルースは追跡を妨害したその車の運転手のところへ駆け寄った。 |
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| ブルース | 「この野郎!。」 | |
| ブルースが運転席をこじ開けると、運転していた男は、あの坂口画廊から絵を盗み出していった奴だった。男はブルースに運転席を開けられ、慌てて助手席から逃走しようとしたが・・・。 | ||
| ブルース | 「またテメエか、こりゃ、こりゃ、このくそガキャ。小田は何処だ、小田は。こら、おら、おら、おら。」 | |
| 小田の事務所の男D | 「知らねえよ、俺は。」 | |
| ブルース | 「知らない!。こら。」 | |
| その様子を見ていた喜多刑事はいたって冷静であった。逆にブルースたちの様子を見て、クスリ笑いを浮かべるほどだった。 すると車の無線を取り出し、交信した。 |
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| 喜多刑事 | 「ドック、そっち行ったぞ。」 | |
| 移動中のドック覆面車 | ||
| 喜多刑事の交信先は、先回りして小田を追跡中のドックだった。 | ||
| ドック | 「はいはい、お任せ。」 | |
| ドックは車を停車させると運転席を降り、助手席に移ると窓から拳銃を構えた。そこへ後方から小田の車が現われ、ドックの車が止まっている地点の前にある路地に入って行った。 | ||
| ドック | 「こっちが本物であってくれよ。」 | |
| ドックは路地に入っていく小田の車に向けて拳銃を発射した。それは通常の弾丸ではなく、交信機の入っている粘着弾であった。つまり、これで小田が何処へ移動していっても追跡が出来るという訳だ。 ドックの放った弾丸は、見事に小田の車後方に命中した。 |
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| ドック | 「はいこちら守備完了、あと宜しく。」 | |
| 小田の隠し倉庫 | ||
| 小田らを乗せた車は、小田が所有している隠し倉庫に到着した。連中は倉庫に入って行くと、ダンボールに包まれた大きな荷物を開封し始めた。 | ||
| 小田 | 「一つ残らず運び出すんだ。いいな。」 | |
| 小田の手下たち | 「へい。」 | |
| 小田に命じられ、手下たちは次々とダンボールから荷物を運び始めた。その時、交信機を手掛かりに小田を追跡してきた刑事たちが現われた。 | ||
| 喜多刑事 | 「やっぱり、こっちが本命だったらしいな。」 | |
| 小田 | 「はっ!、・・・くっそー。」 | |
| 喜多刑事の姿を見て、逃走しようとする小田たち。しかしそこにはブルースの姿があった。すると小田は手下たちに、実力行使を命じた。 | ||
| 小田 | 「やれー。」 | |
| 刑事たちに襲いかかる小田の手下たち。そこへDJも現われた。容赦なく襲ってくる小田の手下たちを、ブルースの豪腕と軽快な動きのDJが次々と倒していく。おだの手下たちの中には、ナイフを振り回すものも現われたが、刑事たちの怒りの前にはかなわなかった そして、喜多刑事は遂に最後の一人となった小田を追い詰めた。 |
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| 喜多刑事 | 「おい、竹内殺したのお前か!。」 | |
| 小田 | 「お、俺が殺ったんじゃねえ。坂口だ。」 | |
| 喜多刑事 | 「坂口?。」 | |
| DJ | 「ホントか、おい!。」 | |
| 小田 | 「あぁ、竹内が偽絵の値段吊り上げてきやがったんだい。それに・・・見なよ、その絵を。」 | |
| 喜多刑事は小田に言われるまま、先程小田たちが梱包を解体し、そばにあった絵を手に取った。その絵にはkeigoというイニシャルが描かれていた。 | ||
| 喜多刑事 | 「ケイゴ?。竹内の絵か?。」 | |
| 小田 | 「そんなくだらない絵を、200万円で買えって持ち込んできやがったんだい。買わなきゃ、警察(サツ)にばらすってな。」 | |
| 喜多刑事 | 「それで、青木清文との関係は!?。」 | |
| 小田 | 「知らねえよ。なにか、弱みを握っていることを坂口は言っていたがな。俺はただ、坂口と一緒に金持ちを紹介してくれって頼んだだけだい。」 | |
| DJ | 「その弱みっていうのはなんだい。」 | |
| 七曲署・取調室室内 | ||
| 事件の概要が解け、真犯人が分かり、清文が再び一係に呼ばれていた。改めて机ごしに向き合い母と子。そしてそこには野崎刑事と、調書を取るためマイコンの姿があった。 | ||
| 清文 | 「犯人が判ったんですか。」 | |
| 篁係長 | 「坂口だったわ。まだ捕まらないけど、時間の問題ね。さあ、何もかも話して頂戴。かあさん、警察を辞める覚悟は出来てるんだから。」 | |
| 警察を辞める覚悟はあると、そう穏やかに話す篁に清文は驚き、声を上げて高村に言った。 | ||
| 清文 | 「母さん・・・。辞めるなんてそんな、僕は何もしていない。母さんが辞めなきゃいけないようなこと何もしていません。」 | |
| 野崎刑事 | 「だったら話してくれませんか!。嘘をつかずに。」 | |
| 清文は野崎刑事の大きな声に圧倒され、興奮していた自分と取り戻し真相を話し始めるのだった。 | ||
| 清文 | 「すいません。確かに僕は嘘をついてました。竹内さんと知り合ったのは、偶然じゃないんです。」 | |
| (回想)居酒屋「漁り火」の店内 | ||
| 店内のカウンターで一人日本酒を飲んでいる清文のそばに、竹内が近づいてきた。そして空いている清文の隣の席を指差し言った。 | ||
| 竹内 | 「ここ、いいですか?。」 | |
| 清文 | 「あぁ、どうぞ。」 | |
| 竹内 | 「あ、あー。」 | |
| そして竹内はゆっくりと清文の隣の席に腰掛け、再び清文に声を掛けてきた。 | ||
| 竹内 | 「青木・・・、清文さんですね。。」 | |
| 清文 | 「ええっ。」 | |
| 竹内 | 「お母さんの美沙子さんのことで話しがあります。」 | |
| 清文は、いきなり自分の隣に座った男が自分の名前を呼んだことに驚いた。そしてさらに母親の名を言ったことにも。 | ||
| 七曲署取調室内 | ||
| 篁係長 | 「美沙子さんのことで?。」 | |
| 清文 | 「はい、母は昔、竹内さんと付き合っていた。いえ、愛し合ってたんです。彼はその事を公表されたくなかったら、明日ある人に会って欲しい。そう言ったんです。」 | |
| 篁係長 | 「それが坂口と小田だったのね。」 | |
| 清文 | 「はい。」 | |
| 野崎刑事 | 「竹内とのことは、美沙子さんから聞いていたんですか?。」 | |
| 清文 | 「いえ、ただ・・・、母は彼の絵を持っていたんです。」 | |
| 篁係長 | 「絵を!。」 | |
| 清文 | 「僕が大学生の頃でした。大掃除の時、母が押入れの中にしまってあった絵をなつかしそうに眺めているのを見たんです。」 | |
| (回想)清文の中のその時の記憶 | ||
| 美沙子 | 「この絵はね。お母さんの青春の思い出。父さんも知らない・・・、大切な思い出。」 | |
| 七曲署取調室内 | ||
| 清文 | 「そんなに母が大事にしている思い出を、壊したくなかったんです。」 | |
| そう言うと清文は、篁係長に頭を下げた。 | ||
| 清文 | 「バーで小田を紹介され、金持ちの得意客に絵を買ってもらうよう口をきいて欲しいって言われました。そうすれば秘密は守ってやるって言うんです。3日間悩みました。でもやっぱりそんな話には乗れないって、あの晩、竹内さんの家(うち)に行ったんです。」 | |
| 野崎刑事 | 「ところが家(うち)に着いた頃には、竹内は殺されていたわけですね。」 | |
| 清文 | 「ええ、それからはただ母を傷つけたくなくて。」 | |
| 篁係長 | 「貴方の気持ちは分かりました。でもね清文、美沙子さんが一番大切に思っているのは昔の思い出なんかじゃなくて、今、貴方やお父さんと幸せに暮らしていることなんじゃないかしら。」 | |
| 篁係長、いや清文にとって実は母ある篁朝子のその言葉は心に響いた。その時の清文の表情は、何かにハっと気づかされたような様子であった。 | ||
| 篁係長 | 「ところで坂口のことなんだけど、貴方がかれの申し出を承諾した場合、連絡はどうゆうふうに取ることになってたの?。」 | |
| 清文 | 「ああ、それは・・・、会社やマンションにいない時は、ここに連絡するようにって言ってました。」 | |
| 清文は上着の内ポケットから自分のメモ帳を取り出すと、坂口の連絡先が記入してあるページを開いて篁係長に差し出した。篁係長はそれを受け取り確認すると、今度はその手帳を野崎刑事に渡した。 | ||
| 篁係長 | 「野崎さん。」 | |
| 野崎刑事 | 「はい。・・・マイコン!」 | |
| マイコン | 「はい。」 | |
| 手帳を受け取り野崎刑事とマイコンは取調室を出て行くのだった。二人の足音が遠ざかっていくのを確認するように小さな間が開き、篁係長が再びゆっくり清文を見つめた。 | ||
| 清文 | 「母さん、でもやっぱり、母にはこの事は・・・。」 | |
| 篁係長 | 「いいえ、何もかも私から美沙子さんに話します。事件の記者会見で、竹内が昔の田坂圭吾だということを伏せるわけにはいかないの。分かるわね。」 | |
| 清文 | 「はい。」 | |
| 清文は母親・篁朝子を見つめ、小さくうなづいた。 | ||
| 坂口の女のマンションの駐車場 | ||
| 坂口が女と共に駐車場にやってきた。手には荷物を持ち、これから逃亡をするところである。しかし先程の清文のメモが役に立ち、井川刑事と喜多刑事が坂口の逮捕状をもって現われた。 | ||
| 井川刑事 | 「坂口常幸、旅行は中止だね。」 | |
| そう言うと井川刑事は坂口に、逮捕状を差し出した。 | ||
| 喜多刑事 | 「さっ!。」 | |
| 喜多刑事は坂口の左腕を掴み、手首に手錠を掛けた。殺人事件の真犯人・坂口は逮捕された。 | ||
| 七曲署捜査一係室 | ||
| ソファーに腰を掛けている篁係長。その向かい側には現在の清文の母・美沙子がいた。 | ||
| 美沙子 | 「私が原因だったんですね。ご迷惑お掛けして、申し訳ありませんでした。」 | |
| そう言うと美沙子は、篁係長に深々と頭を下げた。 | ||
| 篁係長 | 「いいえ、私ね、貴方にお礼が言いたかったんです。」 | |
| 美沙子 | 「えっ!。」 | |
| 篁係長 | 「清文がそんな嘘をついたことは、私の立場からすれば明らかに愚かなことです。でも私、母親として本当にうれしかった。美沙子さん、あの子を優しい心の持ち主に育ててくだすって、本当に有難うございました。」 | |
| 美沙子 | 「篁さん。」 | |
| 美沙子に礼を言い、深々と頭を下げる篁係長。その声には清文の生みの親として、感謝の涙が交じっていた。その涙につられるように、美沙子の瞳にも、薄らと光る物が浮かんで見えた。 | ||
| 七曲署捜査一係室・事件解決後の情景 | ||
| 係長席の後ろの窓から、一人外を見つめる篁係長。その目線の先には、家に帰っていく清文と美沙子の姿があった。清文は一度署の方を振り返り立ち止まったが、再び美沙子ととも七曲署を後にした。 すべてが解決して一係の刑事たちが帰ってきた。はじめに扉を開けたマミーは、窓の外を見つめる篁にすぐに気づき、後から入って来る他の刑事たちを静めた。それに気づいた刑事たちは静かに息をひそめ、外の様子を見ている篁係長を見守った。 やがて喜多刑事が、何も無かったように明るく篁係長に声を掛けた。 |
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| 喜多刑事 | 「係長!。」 | |
| 声を掛けられ気づいた篁係長に、喜多刑事は笑顔で近づいていく。 | ||
| 喜多刑事 | 「あの、事件も片付いた事だし今夜あたりパーッと・・・。」 | |
| 喜多刑事のその言葉に一同は賛同。 | ||
| 篁係長 | 「たまには、いいわね。」 | |
| そして篁係長のその言葉に全員が奇声を上げた。ちょっとナイーブになっていた篁係長を皆で盛り上げる。これが一係のチームワークだ。 奇声と歓声の中、篁係長を筆頭に刑事たちは部屋を後にしていった。 |
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