第168話    「ぼんぼん刑事登場」





久しぶりに昔の職場・矢追町巡査派出所に立ち寄ったテキサス(勝野 洋)は大きな物音がするという通報を調べに出かけた。通報のあった場所は団地の一室でカーレーサーの岡本の家であり、そこでテキサスは血まみれになって死んでいる岡本本人を見つけた。かがみこんだテキサスの前に一人の男が現れいきなり殴りかかってきたかと思うと、驚くテキサスを逮捕してしまった。

男は田口 良(宮内 淳)、城南署の刑事だと名乗った。田口刑事は取調室で、以前、テキサスが暴走族を使って岡本 進を襲わせているところを確かに目撃しているのだと言い張り、テキサスや藤堂係長( 石原裕次郎)の主張に耳を貸そうとしなかった。

結局、テキサスは証拠不十分で釈放されたが、岡本殺しの真犯人探しの捜査をするテキサスの背後には、いつも田口刑事の姿がつきまとっていた。テキサスが、殺された岡本のナビゲーター・坂口健二に会ったときも、田口刑事はピッタリとテキサスについてきていた。その坂口はテキサスにも田口刑事にも非協力的で、「ラリーが近いから。」と二人の前から姿を消した。実は坂口は、今度のレースではナビゲーターではなく、ドライバーとして出場するというのだ。手ごたえのなさにガックリする田口刑事に対して山村刑事(露口 茂)が「たとえ刑事でも一人を疑うのには覚悟がいる。」と言い放った。

田口刑事は自分がテキサスを張り込めない時、代わりに自分の叔母に見張りを頼んでいた。ところがその叔母は、テキサスと意気投合して帰ってきた。田口刑事はそんな叔母にむくれるが、叔母は「あんな目の奇麗な人は犯人じゃない。」と言うのだった。

その後、テキサスはまた自分の後を尾けはじめた田口刑事を協力させ、田口刑事が見たという岡本 進を襲わせたテキサスそっくりの男、ブラックピエロの黒川を逮捕した。その逮捕の過程で田口刑事はテキサスを見直し、反対に尊敬のまなざしを向けるようになったのは当然の成り行きだった。しかし黒川は岡本殺しの真犯人ではなかった。黒川にはしっかりとしたアリバイがあったのだ。 捜査が振り出しに戻ったかのように思えた矢先、坂口が何者かに襲われた。急行したテキサスは坂口を襲ったその犯人の手口に疑問を感じ、今度のラリーでの坂口のナビゲーターを自分にやらせて欲しいと頼み込むのだった。

テキサスと坂口を乗せたラリー車が悪路を突っ走っていく。そしてそのすぐ後ろを田口刑事の乗用車がピタリと張り付いていた。思い通りに車が走らず焦り始めた坂口はテキサスに岡本殺しを認め、錯乱状態に陥って崖に突っ込んでいった。その時間一髪、田口刑事の車がそれを止めた。逃げる坂口を逮捕して、テキサスは田口刑事に向かって、真犯人である坂口に手錠を打てと言うのだった。

数日後一係では、今回の田口刑事の一件で話に花が咲いている。その一係に田口刑事が藤堂係長に連れられてニコニコしながら入ってきた。なんと新人刑事として田口刑事が七曲署捜査一係配属になったのだというのだ。あっけにとられる刑事たち。田口刑事の後ろから部屋に入ってきた田口刑事の叔母は背の高い田口刑事の頭を押さえつけるようにお辞儀させて、「うちのボンを宜しゅうたのんみます。」とやはりニコニコ顔で言った。

大阪生まれのぼんぼん刑事・田口 良はこうして一係の仲間となった。
(うら ばなし)

七曲署一係、第4代目新米刑事・ボン。前任の3人の刑事はすべて名前が"ジュン"であったが、今回の新米刑事は、前任のテキサス刑事・三上 順・在職中の登場だけに、さすがにジュンでは無く、"リョウ"であった。しかし、ぼんぼん刑事を演じた役者名を思い出して見てください。"宮内 淳"と名前に"ジュン"がついています。実はこれ偶然ではなく、「太陽にほえろ!」に登場するということで、番組が彼に付けた芸名なんです。

つまり、4代目新米刑事・ボンは、れっきとした4代目"ジュン"だった訳です。

これらの名前に関する (うら ばなし)は、ロッキー刑事スニーカー刑事ラガー刑事にも続きます。