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取調室では、山村刑事(露口 茂)の向かいに眼光鋭い一人の男が取り調べを受けていた。男は金融ブローカーの今井が殺害された事件で、重要参考人として身柄を拘束している現職の刑事・城北署警視である権藤であった。権藤は仮借ない強引な捜査方法で有名であるだけでなく、山村刑事を「山!山!」と呼ぶ、山村刑事には駆け出しの頃に捜査方法など指導を受けたことのある恩師でもあった。権藤警視に対しては、藤堂係長(故 石原裕次郎)や野崎刑事(下川 辰平)も一目を置くだけでなく、恐いという程の力量の持ち主でもあった。 殺人事件の現場は、被害者の飲みかけの酒が放置され、テレビも付けたままの状態で、マンションの扉が開けっ放しになっていたため、その発見が早かった。しかも現場となっているマンションから、権藤が運転している車が逃走する所を見たとの目撃証言もでている。さらに権藤自信も、別の事件で今井をマークし、その夜、今井のマンションを見張りに行っていたのを認めた。しかし今井が殺された時間には、今井を殺害できない完璧なアリバイが権藤にはあった。 他の署の刑事仲間と寿司屋に行き、寿司屋で別れた後、自分の車に乗り込んだのが午後10時30分。そこから殺害現場に30分で行くことは不可能なのである。仲間の刑事も寿司屋も権藤のアリバイを証する時間ははっきりと覚えており、そこには権藤が「白」と確定せざるを得ない状況ばかりが残されているだけだった。被害者の妹もちょうど10時30分にマンションにいる今井と電話で話しをしていたとの事。今井が自宅で11時に殺された事も間違いないのだか、山村刑事は権藤警視の殺害に確信を持っていた。 山村刑事は権藤警視の供述通りに、当日の権藤警視の足取りを石塚刑事(竜 雷太)とともに再現してみた。すべてが権藤警視のいう通りであった。しかし、車に乗る寸前ネオンに照らされて明るいと言っていた道路が、当日は工事の為、10時20分でネオンが消えて暗くなっていた事実をつかんだ |
俗に「山村刑事の対決シリーズ」と言われる中でも、最も評価の高い作品がこの「逆転」。今回のゲストが西村 晃でということで作られた作品。西村 晃は出演依頼とともにこの台本を受け取ると、撮影時に入っていた他の仕事をすべてキャンセルし、この「逆転」に取り組んだ程の力の作品でもあった。 また尋問する側の山村刑事こと露口 茂も、大先輩との対決に大変な意欲を燃やしての撮影だったということです。 |