第104話  「葬送曲(ジーパン・シンコその愛.2)





ガセネタで振り回されて朝帰りのジーパン( 松田優作)は、七曲署の前に座りこんでタバコをふかしている老警官を見かけ声を掛けた。実はその老警官は最後の見回りを済ませたばかりで、署に戻るとその時点ですべての任務が終了し、定年退職になるのだと言う。その話しを聞いたジーパンは、淋しそうな顔を浮かべた。

老警官・杉本巡査に頼まれジーパンが巡査のタバコに火をつけようとしたところ、杉本巡査は突然「危ない!}と声を掛けて立ち上がり、ジーパンに覆い被さった。するとその杉本巡査の背中に銃弾が3発撃ちこまれる。実はジーパンたちの前を通り過ぎようとした車の窓から銃口がこちらに向いているのを発見した杉本巡査が、身を呈してジーパンをかばったのだ。

銃弾に倒れ落ちる杉本巡査。逃走する狙撃犯の車。ジーパンは車に飛び乗り、逃げる犯人を追跡した。しかし必死の追跡の中、ジーパンの車の目の前に新聞配達の自転車が現われ、ジーパンは思いっきりハンドルを切り車は転倒、ケガをしたジーパンはその場に倒れた。

事情を知らないいちかかりの刑事たちは、死亡した杉本巡査を恨む者たちを調べてみたが何も手でこない。やがて病院で意識を取り戻したジーパンから実は犯人はジーパンを狙っていたと知らされ、ジーパンに恨みを持つ者を一人ずつ取り調べていった結果、根岸という、以前ジーパンに逮捕された男が、刑務所内でもジーパンを殺してやると息巻いていた事を知った。

根岸が隠れていたアパートを発見した石塚刑事(竜 雷太)は応援を要請、しかしそこへ病院を抜け出してきたジーパンが一人で根岸のアパートへ突っ込んでいった。すると根岸は拳銃を乱射しアパートから逃走を始めた。必死の追跡でジーパンは根岸を逮捕した。ところが根岸にはアリバイがあった。根岸は覚醒剤を打っているところにジーパンが飛込んできたのだが、警官殺しとは無関係であった。

杉本巡査にはひとり息子がいた。ジーパンはその息子・茂に会いに行くが、茂やその仲間たちはジーパンをののしった。何故ならジーパンをかばって殉職した杉本巡査の事件を、ある新聞はジーパンが杉本巡査を壁にして身を守ったと書いてあったからだ。

そんな中、ジーパンは自分を狙って真犯人が再び自分の前に現われるのを待って街を歩いていた。やがてライフルがジーパンを襲う、ジーパンはシンコの拳銃を借りて犯人を追いつめた。ところがジーパンにライフルを向けたその男は杉本巡査の息子・茂であった。それを知ったジーパンは同じく警察官の父親を殺されたものとして茂の気持ちが理解出来、彼を追う事を止めた。

翌朝、犯人の車が港から引上げられた。車のトランクルームからは男の射殺体が発見され、銃痕検査から杉本巡査を殺したものと同じと判った。死体となって発見された男は一昨日の晩から行方不明になっている曙ビルの守衛、杉本巡査が殺されたその日からである。

曙ビルには同夜強盗の被害にあっている。守衛はその為に殺され、杉本巡査は偶然その犯人に会っている可能性がある。犯人の本当の目的はジーパンでなく、杉本巡査であったのだ。そして真犯人は杉本巡査の息子・茂、その近くにいた。