第97話  「その子に罪はない!」





一家四人殺しの凶悪事件が発生、土地を売ったばかりの現金4千万円が無くなっていた。犯行現場から野崎刑事が拾ってきたタバコに残された指紋から、全国指名手配の前科五犯の男・市川 勝が容疑者として浮かんだ。

その時点で捜査本部は本庁におかれ、七曲署に本庁から島田警部がやってきた。島田警部は自分のサポートスタッフにジーパンを指名。また他の刑事たちも本庁捜査の協力体制をとった。

本庁の島田警部についたジーパンは、ドヤ街でうっかり市川を目前にやりすごすが、島田に協力して市川を逮捕した。市川は三ヶ月前の強盗傷害事件ははいたが、四人殺しの犯行を否認、こんどのヤマにはアリバイがあると言いかけて、なぜか突然血相を変えるとすぐにアリバイは無いと打ち消した。

市川は取調室から本庁に身柄を動かす事になり七曲署を出発、しかし山村刑事は市川が身につけていた子安神社のお守袋に目を奪われた。市川が取調室で落としたものだ。本当ならアリバイを主張する犯人が、なぜ自分のアリバイが無いというのか。山村刑事は市川に対しての捜査を開始した。

やがて市川は犯行を自供するが、山村刑事とシンコは市川の過去を徹底的に洗い出した。そして市川の初犯、十三歳のときの叔父殺しのウラにかくされていた意外な事実をつかんだ。

スリの常習犯である市川の母親は、刑務所で市川を生んだ。その後、市川は叔父の家に世話になっていて、まともに学校にいかせてもらえない状態だった。そんな市川を同級生の女の子・今寺は親切にし、彼に学校の勉強を教えにいっていたのである。ところがある日、酒によった市川の叔父が彼女を襲おうとし、それに遭遇した市川は叔父を殺したのである。

市川がアリバイを言おうとしないのは、その時の女の子・今寺よし子と一緒であった事、そして彼女の過去をいまさら掘り起こさない為である。そして、今寺よし子は市川の子供を身ごもっていた。

市川が人殺しの罪をかぶってまで守ろうとしていたものは・・・。そして真犯人は、意外なところにいたのだった。