第63話  「大都会の追跡」





信用金庫の女子職員が急病で倒れ、救急車で病院に運ばれていった。そしてその直ぐ後、保険所の職員と名乗る男が一人で現れ、運ばれていった女子職員はコレラに掛かっていると告げた。男は他にも感染している恐れが有るので、まず部屋を消毒するから職員を全員一ヶ所に集まるよう指示し、支店長に金庫を消毒するからと案内させると、まんまと一億二千万円を持出して逃げた。

この巧みな犯行に藤堂係長(石原裕次郎)は、たった一人でこれだけのことをやってのけるのはその犯行の手口から、三ヶ月前に刑務所を出所したばかりの矢島しかいないと犯人を断定、信用金庫の支店長に矢島の写真を確認させたところ、マスクをしていたものの矢島であることを確認した。一係は矢島探しの捜査を開始した。

出所したばかりの矢島に、その居場所を探す手立てがない。しかし前回の逮捕当時矢島は美沙子という女に相当ほれていて、その美沙子に対する思いは捨て切れないはずであると、今は別の男と結婚して主婦として生活している美沙子をマークすることにした。

交代で見張りを続ける中、美沙子には特に不信な動きは見られなかった。しかし藤堂係長らの推測通り、矢島は美沙子に電話を入れていた。「お前は普通の生活に満足する女じゃない。」という矢島に、美沙子は一度目の電話では拒絶したが、結局矢島の言う通り美沙子は矢島と逃げることにした。

美沙子が外出する。張込みをしていた一係の刑事達は尾行する。しかし矢島も美沙子も警察の動きを読んでいた。まったく障害物のない道を通り抜ける美沙子。その後を島刑事(小野寺 昭)が尾行するが、隠れる場所がなく直ぐにばれてします。そしてデパートで洋服を買い、美容院でカツラを借りた美沙子は女子トイレで変装し、尾行していた山村刑事(露口 茂)とジーパン(松田優作)の尾行を見事に巻いたのであった。

美沙子に逃げられた山村刑事とジーパンは、途中美沙子がチケット屋に寄っていたことを思い出した。調べてみると、やはり美沙子はそこで今夜の後楽園球場のナイター[巨人ー広島]戦のチケットを受け取っていた。一係は後楽園球場に集結し、5万人を超える超満員の中、矢島と美沙子を探し回った。
一方、球場に来ている矢島の隣の席に、矢島の犯行と知り、その上前を狙う男がいた。その男は美沙子の命と引換えに、奪い取った金を渡せと要求。そして美沙子の座る向かいのスタンドからは、ライフルの銃口が美沙子を狙っていた。
(うら ばなし)

この作品の見所は、やはり球場のシーンでしょう。
実際の後楽園スタジアム、[巨人ー広島]戦の試合進行中の中で撮影されたこのシーン。今となっては有りうるものの、当時としてはまったく初めての試みで、実際なかなかスタジアムから撮影許可が下りなかったそうです。
また現在は東京ドームに代わっている為、当時の後楽園球場を見られるという点でも面白いと思います。
しかし製作者側の意図通り、全編追いかけっこをテーマにした作品になっていて、個人的には逆に退屈な感じもしました。まっ、人それぞれですが・・・。