第55話  「どぶねずみ」





銃砲店が襲われ、店主を含む三人の家族が殺された。しかし盗まれたのはたった一丁のライフルと銃弾。たった一人の目撃者である労務者風の男の証言によると、事件当時、若い男が凶器と思われる鉄の棒を持って、ニタニタしながら歩いていたという。精神異常者の犯行とにらんだ一係りでは、目撃者の証言を基にモンタージュ写真を作成し、都内の精神病院を当たるが該当者もなく、またその他の目撃者も発見できなかった。

その頃、事件でてんやわんやの七曲署一係に小犬のコロがいなくなったので探してくれと、老婆のトキがやってくる。当然それどころではない刑事達は誰も相手にしないが、子犬のコロを実の息子のように考えているトキのさびしそうな様子を見るに見かねてジーパン(松田優作)は、勤務明けにコロを探してやると約束する。

翌日、ジーパンは野崎刑事(下川辰平)と連れ立って捜査中、偶然に公園で若い男に抱かれているコロを見つける。男は、雨の日に足をケガしてどぶにはまっていたので助け手当てをし、それからその子犬がなついたのだと言う。ジーパンは本当の飼主が探していると説明すると男は素直に小犬を渡すが、ジーパン達が刑事だと分かると、男はすばやく立ち去っていった。立ち去り際に「人間なんて、どぶねずみだよ!。」と言って。

抱き上げたコロの首にぶら下がっているペンダントが銃弾であったのに気がついたのはその後だった。その後、不審尋問中の警官二人が狙撃され死亡する事件が発生。そこで使われた銃弾が、コロの首に掛かっていた銃弾と一致した。ジーパンと野崎刑事は、男が子犬の手当てをする為に薬局で薬を買っていると判断、男と会った公園の近くの薬局を当たり、その男の住まいを発見した。しかし男は既にライフルを持って出かけていた。部屋を飛び出したジーパンは必死に男の行方を捜し、男を遊園地に追いつめた。

遊園地に集合した一係の刑事達。そこに本庁の西山刑事が現われ、犯人射殺命令を下す。
(うら ばなし)

七曲署の署長としては最も有名である、平田昭彦が初めて登場。既に七曲署署長としての内示を受けている本庁の西山刑事という設定であった。
(次の第56話では、七曲署の署長として登場している。)
そしてこの西山刑事とジーパンのやり取りの中で、ジーパンが刑事に昇格した一説を知る場面が有る。
警察官であったジーパンの父は犯人に殺された。しかし日頃から拳銃を携帯しなかった事で、ジーパンの父の死は殉職扱いにはならなかった。しかしその結論を後悔している本庁の一部の刑事達がおり、その人たちの働きかけでジーパンは刑事に昇格した。西山刑事はジーパンに「お情け」と表現した。
また「太陽にほえろ!」の後番組で「NEWジャングル」という刑事ドラマが有ったのを記憶しているでしょうか。そこで「浩平が泣いた」という作品が有りますが、実はこれ、この「どぶねずみ」のリメイク作品なのです。