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その日やって来た新米刑事・早見 淳(萩原健一)には変わり者で有名な七曲署捜査一係の先輩刑事たちもさすがに唖然となってしまった。長髪にパンタロンスーツという出立ちもさることながら、どことなく人をくった態度は新人とは思えない。それでも拳銃を手にした姿は好きなおもちゃをもらった子供のようで、いくら粋がっても新米は新米と先輩たちははっとしたのか、早々恒例の渾名つけを始めた。島刑事(小野寺 昭)の提案でマカロニ・ウエスタンを気取っているということからマカロニと呼ぼうと、本人の意思にかまうことなく決めている。 その時、電話が鳴った。一瞬にして室内の空気が緊張する。殺しだ。マカロニもベテランの刑事・山村(露口 茂)と組み初動捜査に乗り出す。初仕事に気のはやるマカロニは、山村刑事ののんびりとしたマスペースな仕事ぶりに苛々するのだが、山村刑事は気にも留めず独自のやり方であっという間に事件の概要をつかんだのだった。 被害者はシローと呼ばれているチンピラで、犯人・守は彼を通し、あたりを取り仕切る暴力団から拳銃を手にしたらしい。その為、守の逮捕により拳銃の密売ルートがばれることを恐れた組織の連中が守の命を狙っているという。つまり守るを逮捕する事こそが彼自身を救う事になるのだ。 マカロニは守が溜まり場にしているレストラン・パークサイドに張り込んだ。マスターの浩二をはじめ店の客達もみなマカロニと同年輩の若者で、仲間意識が強く警察という国家権力にあからさまな敵対心を向ける。同じ若者としてマカロニのことは、裏切り者のように感じるのであろう。マカロニも彼等の気持ちが解らないわけではないのだが、捜査は捜査である。そこへ守が顔を出した。マカロニは守を追い詰めると拳銃を構えた。しかしマカロニは撃てない。 「何故刑事になった?。あんただって要するに拳銃をぶっ放したいだけなんじゃないのか?。守と同じ同じだよ。」 という浩二の言葉が胸に引っ掛かる。戸惑っているうちに応援に駆けつけてくれた石塚刑事(竜 雷太)に守の撃った弾が当たってしまった。 「何してるんだ!、早く守をおえ!。」 と石塚刑事が叫んだが、マカロニは茫然としてしまって動けない。藤堂係長(故 石原裕次郎)に怒鳴られやっと我に帰ったようである。しかし、あんなに張り切っていた気持ちがすっかり萎えてしまった。 そんなマカロニを山村は気遣い、一係のメンバーの馴染みの居酒屋・宗吉へと誘う。少年係婦警・伸子の父であり、その昔、藤堂係長とは刑事仲間であった主人の内田宗吉は、刑事たちの良き相談相手である。 マカロニにも暖かい言葉をかけてくれるのだが、マカロニの表情は冴えないままだ。 「人を撃たなかったことがミスになる商売なんか・・・」 と刑事としての自信を無くしたマカロニは病院に石塚刑事を見舞い愚痴るのだったが、石塚刑事は自分の拳銃に弾を込めていないを示すと、撃つ撃たないが問題ではなく犯人を逃がした事を悔やむべきだと彼を諭した。さらに 「ボスが厳しいのは期待を寄せているからこそなんだ。」 と励まされ、マカロニは守を探しに再び街へ飛び出して行った。 一方、一係では藤堂係長がマカロニの拳銃と手帳、手錠が置きっぱなしにされているのに気づき、留守番をしていたシンコを問い詰めていた。 「自分にはこんなものないほうがやり易い。」 とマカロニが置きに来たのだと言う。いくら各自の思うままに捜査法を認めている藤堂係長もこれには渋い顔で、山村刑事を援護に向かわせた。 そして遂に、組織の連中が動き出した。浩二と守のガールフレンドのユカとが拉致されたのである。マカロニは監禁されている浩二を見つけると、連中がユカを使って守のことを後楽園へと誘き出そうとしていることを聞き出し、急いで彼等の後を追った。マカロニの連絡を受けた一係のメンバーが後楽園に揃う。しかし、約束の時間になっても守は現われない。じりじりと焦り始める組織の連中たち。ようやく守の姿が見えたと思った途端ユカが叫んだ。 「守、逃げて!。」 その言葉が合図だったかのように、刑事たちが、連中が動き出す。マカロニは一心に守を追い野球場へと追い詰めた。守は 「撃つなら撃ってみろ!。」 と挑発するが、マカロニには拳銃が無い。 「誰だって拳銃を持ちたい。だけど俺が撃ちたいのはお前のような奴じゃないんだ。」 と訴えるだけだ。動揺が隠せず守はさらに荒れ狂う。そこに藤堂係長の一喝が飛び、守は泣きじゃくりながら素直な気持ちを打ち明け出した。 「本当は撃つ気なんか無かったんだ。拳銃を売って貰ったことを揺すられて・・・。」 事件が片付き、石塚刑事の見舞いをかねて彼の病室で打ち上げが開かれた。部屋の隅の花が皆の目を引く。送り主は誰だと詮索する仲間たちから、そっと部屋を抜け出していく人がいた。藤堂係長である。マカロニは後を追う。 「守が最後まで拳銃を捨てなかったらどうした?。」 との藤堂係長の問いにマカロニは答えられない。 「人が平気で人を撃てるようになったらお終いだな。」 とのボスの言葉に、マカロニは一係に配属されたことを本当に嬉しく思い、意欲に燃えるのだった。 |
記念すべき第一回の犯人役は、水谷 豊。彼は第30話の「また若者が死んだ」でも、警察官を射殺した強盗殺人犯人として、出演している。 しかし、「太陽にほえろ!」出演時の演技が認められることとなり、後に「傷だらけの天使」で、萩原健一とコンビを組む事になった。 |