1999.11.26(金)  「七曲署捜査一係’99」








朝もやの中、七曲署捜査一係係長・山岡英介(舘ひろし)は一人の男が仮釈放されるのを待っていた。広野誠。3年前、消費者金融に侵入して、山岡が逮捕した男だ。3年前の逮捕時に、山岡は広野の恋人だった平井恵美を囮に使っていた。その恵美も広野の服役中に他の男と結婚して、今では念願だった花屋を経営している。山岡は恵美の件に負い目を感じているのか、出所した広野を暖かく出迎えたのだ。その後、広野は元七曲署刑事・野崎太郎(下川辰平)が身元引受人になり、保護観察下に入った。

それから数日後、とある消費者金融会社に強盗が侵入、警備員が凶弾に倒れ5千万円が奪われた。山岡たちはただちに捜査を開始するが、本庁捜査二課の小宮山から横やりが入った。広野は数日前から姿を消している。小宮山は3年前の犯行との手口の類似性から、今回の事件も広野の犯行と断定していた。だが、山岡には確信があった。

「広野はシロだ。あいつは殺しはやらない」

山岡の指揮下、七曲署の刑事たちは、行方不明の広野の捜索を開始する。

広野のアパートを捜索した松井(浜田学)と涼子(多岐川裕美)は、そこから札束の帯封とトカレフを発見する。しかも、そのトカレフは鑑識の結果、犯行に使われた銃と一致した。しかし、誰もが広野が犯人だと確信する中、山岡だけは広野を信じていた。

一方、香川は心当たりのある銃の密売人を別件逮捕し、問題のトカレフの流れた先を追及していた。トカレフを買った男は広野ではなく大竹という殺人容疑で手配中の男であることが判明した。

そんなある夜、恵美が暴漢に拉致されそうになった。駆け付けた山岡が救出して大事には至らなかったが、山岡は事件の背後に蠢く大きな悪の存在を感じていた。広野は疾走後、時々恵美に連絡をしていたようだ。真犯人は恵美を使って広野をおびき出そうとしたのだろうか。

一方、バイク窃盗団の一員、清水を追っていた新米刑事・薫(押尾 学)は、遂に盗難バイク置き場を発見し、清水を追い詰めた。だが、そこに突然現れた男に不意打ちを食らい、清水と共にその小屋に拉致されてしまった。捜査中の香川に、薫からPHSでSOSが入った。

「小屋に拉致されて、爆弾と共に放置されました!」

香川は自らの命を顧みず、現場に駆け付け薫と清水を救出。そして、ふたりを小屋から救出した瞬間、爆弾が爆発した。

捜査の結果、薫たちを襲った男と、恵美を拉致しようとした男はトカレフを買った大竹であることがわかった。また、小宮山の報告で、被害に遭った消費者金融会社は政治献金の裏金作りに加担していたことが判明した。その闇献金のカラクリを覆い隠すために雇われた大竹は、全ての罪を広野に負わせて抹殺しようとしていたのだ。消費者金融会社の社長であり裏金作りの黒幕である木内を逮捕した小宮山は、木内を犯行に走らせるために、広野を仮釈放させて泳がせたのだ。それは、自らの業績を優先させるキャリア組の冷酷な策略だった。

小宮山に強い怒りを感じた山岡。このままでは、広野は木内の思うまま、殺されてしまうかもしれない。しかし、どうすれば広野を救うことができるのか?。もはや、山岡に残されたカードは恵美しかなかった。今も広野は恵美に連絡をしているはずだ。恵美を囮に使えば必ず広野は姿を現すはずだ。だが当然恵美は3年前の囮作戦を再現することに抵抗した。

「3年前は広野を逮捕する事が目的だった。だが、今度は広野を保護する事が目的だ」。

必死で説得する山岡は、捜査の末たどりついた真実を恵美に突き付ける。恵美は山岡を信じて依頼を受け入れた。

山岡たちが万全の態勢で恵美を見守る中、待ち合わせ場所に広野が姿を現した。しかし山岡たちとは別に、もう一人、ビルの屋上から恵美を監視する男がいた。ライフルを構え、広野が現れるのを待っていた大竹だ。果たして、山岡たちは広野を無事保護し、広野の冤罪を晴らすことができるのか?そして恵美の信頼に応えることができるのか?さまざまな思いと謀略が交錯する中、今、運命の銃声が鳴り響いた──。