1998.10.30(金)  「七曲署捜査一係’98」








警視庁七曲署の管内で現金輸送車襲撃事件が発生。山岡係長(館 ひろし)の指揮のもと、捜査一係の面々は直ちに現場に急行した。

現場で犯人一味と遭遇した刑事のダンク(浜田 学)と新任の香川(吉田栄作)は、銃撃をかわして追跡。一味が隠れたとみられる雑居ビル内で、墨田という男を拘束した。工場を経営する墨田は多額の負債を抱えており、動機は十分。しかし、雑居ビル内からは、奪われた1億5千万円はおろか、現金運搬用のジュラルミンケースも発見されなかった。輸送車内に設置されていた小型カメラの映像から判断すると一味は4人。さらに、顔を巧妙に隠した別の人物が現場近くで確認された。

まもなく、七曲署に、菊地久子という弁護士が現れ、墨田の即時釈放を要求した。墨田の会社の顧問弁護士だという久子は、警察の措置が違法な別件逮捕だと抗議する。 本庁からの釈放圧力を予想する山岡は、捜査を急がせる。幸いにも、情報屋の話から、稲垣という元ダンプ運転手が一味の1人らしいと分かったのだ。ところが、同じ警備会社の現金輸送車を狙った強盗襲撃事件が再び発生。口封じとみられる稲垣の他殺死体が見つかった。

事件解決の糸口がなくなる中、犯人追跡の際、威嚇射撃をせず、犯人を取り逃がしてしまった香川の過去の経歴が明らかになった。島田刑事(多岐川裕美)の話によると、香川は1年前までSAT<警察庁特殊急襲部隊>の隊員。だが、犯人を射殺した時のショックで、射撃恐怖症になっていたのだ。

やがて、久子の要求が通り、墨田の釈放が決定した。捜査陣は、墨田を監視する一方で、凶器となった盗難散弾銃の洗い出しを開始。銃を盗み出した人物の似顔絵を作った結果、問題の警備会社の社員・佐久間が容疑者として浮上した。だが、佐久間の部屋に踏み込んだ捜査陣は、佐久間の他殺死体を発見。現場の状況から、佐久間も口封じされた、とにらんだ。 付近で張っていた香川は、急発進した車を追跡、犯人を廃工場に追いつめるが、やはり拳銃の引き金を引くことができず、犯人の逃亡を許してしまう。

そんな折、久子の周辺を洗っていた捜査陣は思わぬ情報を入手した。以前、ある警備会社の現金輸送車が襲われ、専務だった男が責任を取らされ自殺する事件があった。この専務だった男こそ久子の父親だったのだ。その後、常務だった森山という男が新しい警備会社を設立。そして、今回連続して狙われたのは、森山の会社の現金輸送車であった。噂によると、森山は久子の父親の追い落としをはかるため、現金輸送車襲撃の糸を裏でひいていたらしい。

山岡係長は、森山への復讐を狙う久子が今回の連続襲撃事件に関与していると察知。現場にいた第5の人物が久子で、久子が強奪した金の運び役をやったと推理した。 ところが、その久子から、奪った金をもって芝浦のバーに行く、との連絡が入る。それが久子の自首の意志表示だと気付いた山岡係長らは直ちに出動、現場に急行した。。そこで山岡係長は車からライフルを取出すと、それを香川刑事に手渡した。

久子らがいるバーに島田刑事らが飛込むと主犯らしき男が拳銃を放ち、そばにいた久子を人質に取る。男は抱えた久子に拳銃を向け、バーの入り口に止めてあった久子の車で逃走を図るが、山岡係長は所持していた拳銃を側に置くと、両手を挙げて男に近づいていった。犯人は山岡係長に発砲、その左腕を撃ちぬいた。たまらず街に倒れこむ山岡係長であったが、一瞬の隙をみて久子に合図、その合図に気づいた久子は犯人の腹部に肘鉄を打った。その瞬間・・・

「香川!。」

山岡係長の声に背中を押されるように、香川刑事のライフルは犯人の肩を撃ち抜いた。

島田刑事たちに付き添われ歩いて行く久子に山岡係長は、久子の父の事件を再捜査すると誓う。また刑事を辞める覚悟をしていた香川刑事も、山岡係長の元でのならもう一度やっていけると自身を持った。そんな香川刑事が山岡係長の背中に言った。

「ボス!。」

振向いた山岡係長に笑みがこぼれた。